行動なくして
実現なし
006.選挙を考える

選挙を考える1~政策はどこで訴える?~

おはようございます。きのうは更新できず、申し訳ありませんでした。

きょうから、参議院選挙を戦って考えたことを「選挙を考える」のタイトルで不定期に掲載したいと思います。1回目のきょうは「政策はどこで訴える?」です。

結論をいうと、選挙戦中は落ち着いて政策を話す機会がありません。「そんなことでいいのか!」と思うでしょうが、残念ながら事実です。

 

活動を個別に検証してみましょう。

まず、選挙カーの活動ですが、選挙カーは、通りすがりの人や車中の人、住宅の中にいると思われる人たちに走りながら呼びかけるので、どうしても名前の連呼が中心になります。

私の場合、走行中は極端にいうと「井出ようせい!32歳!みんなの党です!」みたいな感じでした。

唯一、交差点の信号待ちは、1、2分間ですが政策話ができるので有効に活用しました。

ほかの候補者の選挙カーともすれ違ったのですが、ある候補者の選挙カーは、候補者の下の名前(3文字)だけをひたすら「@@@!@@@!@@@!」×∞叫んでいて異様でした。

 

次に街頭演説です。これも一か所あたりで話す時間が短いので多くは語れません。通りすぎる人がほとんどなので、長い話はなじまないということもあります。

私は、はじめのうちは1か所で20分ぐらい話していたのですが、選挙経験者の常識としては、「短い演説をたくさんの場所で」というのが共通認識でした。

私の場合、選挙戦中は「消費税増税にストップをかける」と「税金の無駄遣いの削減をあきらめない」がほとんどでした。

投票日が近くなってくると立ち止まって聞いてくれる人も増えるので、時間をのばして話すことができました。

私は立ち止まってくれる人を一人でも見つけると気持ちがぐっと入りました。

公示前に、南信の、ある道の駅の前で街頭演説をしましたが、たった一人農作業の手をとめてずっと聞いてくれた女性を思い出します。

 

チラシやはがき、ポスター、選挙公報、新聞広告など印刷物はスペースに限界があります。顔写真のスペースが大きく訴えたいことはかなり限定されます。

中身よりも見やすさ重視にならざるを得ないというのが率直な印象です。 私は、自分の印刷物に関しては、もっと内容に工夫の余地があったと思います。

 

そして個人演説会。これも選挙戦中はネットが更新できないなど演説会を広く周知できないこともあり、来てくださる方は候補者に好意的というか、少なからず関係のある人になります。

候補者と何の接点もない人が「きょうどこどこで@@さんの演説会があるから行ってみよう」と参加する率はかなり低く、限定された訴えにとどまります。

 

あとは、JCが各地で開いている合同個人演説会があります。「合同なのに個人演説会か?」と言いたくなりますが、実際は各候補者が集まってテーマごとに考えを述べる貴重な機会です。

参院選では、宮田村と、長野市の2か所で2時間ずつ行われました。それぞれのテーマで与えられる発言時間は1~2分と短いのですが、

2時間の長丁場なので、工夫次第では政策を伝えることができると感じました。

ただ、2回とも客席に同じ顔ぶれがけっこういて、広く一般の方に訴える機会とはいえない。

また、参加した方は分かっていただけると思いますが、テーマごとにコーディネーター(JCの方)が候補者に投げかける質問も、分かりにくさや抽象性を感じました。

 

新聞やテレビの報道も、各候補者の訴えを掘り下げるところまでは行きません。選挙報道は各候補者に平等でないといけないという意識が、放送する側には強くあります。

テレビに関しては、平等にこだわりすぎて当たり障りのない放送が多いというのが、取材をする側と受ける側を経験した感想です。

ただ個別には、密度の濃い取材が反映された放送もあり、その記者の方にはとても感謝しています。

取材と別に、テレビの政見放送は5分半の時間が与えられたので、訴えを掘り下げることができる数少ない手段だと思いました。

「政見放送みたよ。良かったよ」と支援者の方からはかなり反応がありました。しかし放送の時間帯、演出の地味さなどから、候補者と無関係の人がどれだけ見てくれるかは疑問です。

もっと多くの視聴者が見られるように時間帯を変える、放送回数を増やす、演出を変えるなど、いくらでも改善の余地があると思います。

政見放送は、公職選挙法に定められて放送されるものなので変えることは容易ではありません。

しかし、法律が変わらなくてもテレビを取り巻く環境は激変しており、視聴者を増やすことを本気で考えるなら改善するべきです。

公職選挙法が絡むのでテレビ各社の責任とはいえませんが、政見放送をより多くの人に見てもらうにはどうしたらよいか議論が起こることを望みます。

新聞はテレビと違って、文章と写真で見せるので読者への印象付けは大きいと思います。

字数の制限など課題も多いのですが、私の場合、各社のアンケートの多さに対応しきれなかったという自身の大きな課題を残しました。

できるだけ自分で回答することにこだわった結果、締め切りを守れずご迷惑をかけました。

とくにある社のアンケートは、答えた用紙を送付し忘れる大失敗があり、大変申し訳なく思っています。

 

ここまで書くと、選挙戦の活動は政策を落ち着いて訴える場が少ないという現状が理解していただけると思います。

県内に1万か所以上設置されたポスターも、政策を訴えるというよりは知名度です。

更新が禁止されたホームページは、政策を訴える有効な手段ですが、これも見た目が大切なことと、ホームページをみない人・みる環境がない人もまだまだ多いと感じました。

 

有権者の方から、「党の公約をすらすら言うだけで、自分の言葉に乏しい候補者が多い」というメールをいただきましたが、こうした選挙戦の実態の影響もあると思います。

 

選挙では、ポスターや法定のチラシ、葉書には公費(税金)の補助がでます。

私の希望としては公費で補助されるポスターやチラシの数を減らして、浮いたお金で地域ごとに候補者討論会を開催してほしいです。

ポスターの設置場所は、いつ定められた基準か分かりませんが、枚数を大幅に減らして各地域の人目の付くところに限定して設置するべきだと思います。

そして参院選なら、県内をいくつかのブロックに分けて、選挙管理委員会、または県議会の主催などで、

候補者討論会を県内5から10か所程度で開催できれば、広く一般の方の前で論争を深めることができると感じます。

 

総括すると、現状では限られた枠組みの中で工夫するほかありませんが、

私は自分の活動に多くの課題を見つけたので、再挑戦する時がきたら、経験をいかして自分の訴えを広げていきます。

「私にしかできない選挙」を、柔軟な発想で見つけていきたいです。