長嶋さんと松井さんの国民栄誉賞   2013 年 5 月 18 日

ちょっと前の話になってしまうが、長嶋さんと松井さんの、国民栄誉賞受賞の様子をネットの動画でみた。

松井さんはかねてから人格者だと思っていたが、素晴らしいスピーチだった。自分の功績には一切触れず、長嶋さんへの感謝、ファンへの感謝、ジャイアンツへの感謝にあふれていた。「少しぐらい自分の実績に触れてもいいのに」と思ったが、そこが松井さんの素晴らしいところだろう。そんな松井さんが唯一、実績らしいことを述べたのは「日本で10年、アメリカで10年」という言葉だった。日本でもアメリカでも、一流選手が集う環境に身を置いて、日本一、世界一を目指して結果を出してきた自信を、私は勝手に感じた。功績を一切言わないだけに、この言葉の重みがものすごく伝わってきた。前に、松井さんが国民栄誉賞ときいて「野茂さんは?」と思ったことがあったが、国民栄誉賞は野球の実績だけで決まるものではないようだし、映像をみて、松井さんの受賞はとてもよかったと思った。

長嶋さんは、できればもっとはやく、たとえば、1994年、中日との10・8の死闘を制した時に表彰してほしかったという気がした。うまくいえないが、長嶋さんは、どんなに名誉ある賞を用意しても、そこにおさまらない存在感があるように思う。でもよかった。

お揃いのスーツがとても印象的だった。松井さんの提案で、長嶋さんが選んだと報道されていたが、ワイシャツがストライプだったのは、長嶋さんが、松井さんのヤンキースでの活躍を讃えたのかなと勝手に想像してみた。

多くのファンが集う野球場で表彰したこともよかった。長嶋さん、松井さん、それに、先に受賞した王さんと衣笠さんがグラウンドに揃えば、どんなに演出を工夫しても、主役の存在感が全てだろう。

「国民栄誉賞は政治目的に利用される」と言われることがある。過去の表彰をみても、そして今回も思ったが、政治目的などはあったとしても、瞬時に見透かされてしまうだろう。

表彰を受ける人の実績はもちろんだが、その人が歩んできた道のり、ストーリーがもつ圧倒的な存在感に、余計なものがくっつく余地などない。東京ドームに足を運んだ人も、TVや新聞、ネットで受賞式をみた人も、そう感じたのではないか。

この記事は 2013 年 5 月 18 日 土曜日 9:47 PM に投稿されました。

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