行動なくして
実現なし
002.政策

この法案審議への、私の思い。

「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」、いわゆる「取り調べ可視化導入、司法取引の導入と通信傍受捜査を拡大する法案」に私が関わろうと思ったのは、いま、私が担当の法務委員会にいるからという巡り合わせだけではない。

 

私は、わずか8年弱だったが、NHKの記者をしていた。その大半が警察、検察、裁判などいわゆる事件取材だった。 その経験で感じた思いをわずかでも法整備にいかしたいと、この法案が審議されるタイミングをずっと待っていた。

 

2年あまり前、初当選直後に、谷垣法務大臣に予算委で、この問題を取り上げている。この法案審議に参加するために、去年、思い入れのある文部科学委員会をいったん離れ、法務委員会に所属した。 えん罪被害者や、密室でひどい取り調べをうけた人たちの話は数多くきいてきたが、それ以上に、警察や検察の無数の人と話をしてきた。

 

警察や検察が、数多くの問題ある捜査をしてきた一方で、日々全力で事件の解明にあたる一人一人の捜査員、検察官がいる。 取り調べの可視化は、いまの日本の警察・検察組織にいる人たちにはいまだ抵抗感の強いが、これは単に被疑者の権利を守るという話ではなく、捜査機関の調べの適正さを証明するためのものでもあり、捜査機関の取り調べを向上させ、変えていく手段なのだ。

 

取り調べの可視化は現在、全事件の3%、裁判員裁判の対象となる重大事件に限定されているが、とにかく一歩を踏み出すことが重要だ。一歩を踏み出せば、可視化が捜査側にとってもメリットのあることが飛躍的に浸透するはずだ。すでにそのメリットを感じている捜査側の声も大きくなっている。

 

また、裁判員裁判事件についても、いまのように罪の思い重大事件だけでなく、国民の感覚や視点が必要な、「争いのある事件」に広がる、対象事件の基準や範囲が変わる可能性もある。私は取り調べ可視化が裁判員裁判事件を対象とすることを想定して、さきの裁判員法改正の時に、裁判員対象事件の見直し、拡大を強く求め、3年後に再び議論する規定を法律に追加した。

 

法案審議はまだまだ続くが、これからの日本の刑事捜査、裁判が改善される、変わる方向に流れが向いていることを実感しながら、日々の議論に向き合っている。