憲法改正と安保法制   2017 年 10 月 9 日

去年11月、憲法公布70年の節目に、信濃毎日新聞が、県内の全国会議員にアンケート調査を行なった。質問の中心は、「憲法改正の必要性はあるか」「憲法9条改正の必要性はあるか」というものだった。

9条改正の是非については、私以外の国会議員は与野党全て、「必要ない」か、「どちらとも言えない」という答えだった。私だけが、「改正の必要がある」と回答し、周辺から心配された。

他の議員の多くは、自由記述欄に「自衛隊を認めることは必要だ」と書き、また、「集団的自衛権は認めない」との意見もあった。私も、自由記述欄で他の議員と同じように「自衛隊を認める必要がある」ことと、「集団的自衛権を憲法で認めない」ことの2つが重要であると答えた。

昨日(10月8日)の信毎にも、私の9条についての考えが短く書かれているが、私は、9条も9条以外の条文も、議論はどんどんやればいいと思う。しかし、私が憲法改正を一方的に進める気はない。憲法は、国民が最終的に国民投票で決めるものだからだ。

「臨時国会を開く義務に期限を設けるべきだ」とか、「解散権の制約」とか、「環境権」とか、「知る権利」とか、憲法改正の論点は9条以外にもある。これらのことについても、大方の国民が合意すれば、国会内も全会一致なら、やっていいと思うが、良いと思うものを憲法にどんどん書けば良いかというと、そうでもないと思う。例えば、「知る権利」を憲法で書いたら、「個人情報の保護」や、「忘れられる権利」はどうなってしまうのか。仮に書くとしたら、その条文は、非常に難しいだろう。

憲法は、どこの党の誰が政権を取っても、その時の権力を縛らなければいけない不可欠なものが記載されている。例えば、「犯罪被害者の人権」について、日本国憲法には全く書いていないが、犯罪加害者については、「捜索は令状を取ってからやれ」とか「拷問をするな」という趣旨のことが書いてある。これは、犯罪被害者の人権を軽視しているのではなく、犯罪被害者の人権を守ることは言わずもがな、当然のことで、どこの誰が権力者であっても、加害者への拷問などは絶対やってはいけないということで明記されていると理解している。犯罪被害者の人権を憲法上明記しようという議論もかつてあったが、犯罪被害者を支援する法整備が進み、警察の被害者対策も充実してきたので、最近の憲法改正議論では、出てこなくなっている。

戦後の憲法改正議論の中心は9条だと思う。

9条があるから戦後の平和な日本、紛争と一線を画す日本があった。しかし、その一方で、9条の条文は変わらないのに、集団的自衛権も憲法解釈で認められるというように、政治の意向で解釈がどんどん進んでいった。

私は、「自衛隊は合憲」「自衛権がある」「専守防衛に徹する」ことは、大方の国民の理解が得られていると思う。だから、もし、9条を変えたいという声が大勢だというのなら、この3つを明記する議論は、しても良いと思う。自衛隊を憲法に明記することは、7年前の、最初の選挙から、新聞アンケートに答えてきた。それは、私が記者時代に自衛隊の人たちと取材や付き合いがあり、色々思うところがあったからだ。

集団的自衛権については、一昨年国民の意見が真っ二つに割れた。また、長年政府も「集団的自衛権は憲法上認められない」といってきたのだから、一内閣が解釈を変えたからといって、集団的自衛権は、憲法に盛り込むべきではない。

もし、9条を変えたいと大方の国民がいうのであれば、私はこれまで縷々書いてきたような「歯止めをかける9条」を意見としたい。

なぜ、昨年11月の信毎アンケートに、他の議員が選択肢をぼかす中で、私一人踏み込んだのかというと、昨年夏の参議院選挙以降、憲法改正の現実味が出てきたからである。憲法改正がどのような方向になるか全くわからないが、少なくとも私の考えは明示しておくべきだと思い、答えた。

また、集団的自衛権については、日本の周辺で有事があった際のことを、憲法ではなく法律で考えておくべきで、その点で、政府の安保法制は集団的自衛権の範囲が広いので、見直しが必要だと考えている。日本周辺の、集団的自衛権を法整備することは、現実的に必要だと思うし、そういう議論を一昨年して、対案を提出した。

「踏み絵」には、「憲法改正を支持し、憲法改正議論を幅広く進めること」と書いてあったが、議論は幅広くやれば良い。また、「現行の安保法制については、憲法に則り適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する」とも書いてあったが、見直すことも良い。

大事なことなので繰り返すが、憲法改正の議論は大いにけっこうだし、そうであれば、考えは示す必要があるだろう。しかし、憲法は国民が決めるものなので、政治家や政党がトップダウンに進めるものではない。

国政報告会やミニ集会で昔から話してきた内容だが、この際、改めて明確にしておく。

しんまい 憲法

この記事は 2017 年 10 月 9 日 月曜日 7:29 PM に投稿されました。

コメント / トラックバック 9 件

2017 年 10 月 10 日 7:32 AM
内堀さつき より:

さつきより🎤きょうは公示日‼気持ちを切りかえて、プラス思考で前向きに頑張って下さい。ファイト✊‼憲法の事は、私にはよくわかりませんが、興味が湧いてきていることは事実です。

2017 年 10 月 10 日 7:47 AM
さつき より:

🎤きょうは公示日‼気持ちを切りかえて、プラス思考で前向きに頑張って下さい。ファイト✊‼憲法の事は、私にはよくわかりませんが、興味が湧いてきていることは事実です。

2017 年 10 月 10 日 8:57 AM
見抜く力 より:

トランプ政権の本音をバラしすぎて解任されたトランプ大統領の側近中の側近、スティーブン・バノン首席戦略官の問題の発言
(2017年8月16日のニュースサイト「アメリカン・プロスペクト」より)。
「北朝鮮問題に軍事的解決などない。まったくない。
開戦30分でソウルの市民1000万人が通常兵器で死亡するという問題を、解決しないかぎり、(軍事的解決など)意味不明だ」
これはアメリカの本音というより、世界の常識と言え、メルケル首相やプーチン大統領が「北朝鮮問題に軍事的解決などない」とくり返し警告しているのは、トランプや金正恩に対してよりも、むしろ自分たちが一番危険であるにもかかわらず、声高に理解不能な強攻策を主張しつづける、日本首相へのメッセージとも聞こえる。

~「核兵器の本質」は、「置いた国と置いた国との撃ち合いの関係になる」こと~
朝鮮戦争を北朝鮮とともに戦った中国軍は、すでに1968年には朝鮮半島から完全に撤退している。
休戦から64年もたつのだから、米軍も撤退するのが本来は当たり前である。

米軍、とくに日本と韓国に軍をおく米太平洋軍は、日韓両国へ核兵器地上配備の猛烈なプレッシャーをかけてくることも予想される。
その場合の核地上配備は、沖縄の嘉手納と辺野古の弾薬庫とも思われる。
もしその圧力や巧妙な説得に負けて、日本と韓国が何百発、何千発もの核兵器を地上配備してしまえば、北朝鮮の攻撃対象は当然、日本と韓国へと向く。
その結果、北朝鮮とアメリカの間の「恐怖の均衡」は崩れ、アメリカ本土は安全を回復する。

日本人が今後注意すべきことは、たったひとつしかない。
それは総選挙後に始まる安全保障の議論のなかで、「核兵器の地上への配備だけは絶対に認めてはならない」ということである。
北朝鮮対策名目での沖縄核配備は、自動的に、中国との核の撃ち合いの関係を生み出す「恐怖の均衡」が成立する。
中国のもつ核兵器は、日本列島全体を瞬時に壊滅させるだけの威力をもっている。

日本人全体で拒否できれば、北朝鮮とアメリカの間で「恐怖の均衡」が成立し、バノンが予言していたとおり、やがて北朝鮮の核開発の凍結とひきかえに、米軍は朝鮮半島から撤退し、日本の朝鮮戦争レジームも終わりを告げることになるだろう。

2017 年 10 月 10 日 2:42 PM
東御市民 より:

井出さんは、ただひたすらダサイとしか言えません。
希望の党で出馬するようになったから言い訳のように書いているようにしか見えません。
憲法9条2項にこうあります

『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』

陸海空軍とともに その他の戦力ってしっかり書いてあるじゃないですか
自衛隊は軍隊ではないかもしれませんが 明らかに戦かう力じゃないですか?
北朝鮮が拉致を認めましたよね?国家が認めたんですよね?一国家が日本の人を連れ去りましたって事件じゃなくて戦争じゃないんですか?相手が国だから 国の交戦権は認めないっていう一文のせいで自衛隊は助けに行けないんじゃないですか?拉致された人は人権は無いんですか?

>国政報告会やミニ集会で昔から話してきた内容だが、この際、改めて明確にしておく
この際ってどの際なんですか?

ただただ人間として見損ないました。

最後に
厳しい選挙になるかと思いますが、
頑張ってください!

2017 年 10 月 10 日 3:33 PM
Wantares より:

投票の際の参考にしたいのでいくつか教えてください。//県選出の国会議員で憲法を改正するべきだとアンケートにお答えになったのは井出さんだけだと書かれておられますが、具体的にはどこを改正するべきとお考えですか?//安全保障法制の採決の折の投票行動は、賛成でしたか反対でしたか欠席あるいは棄権しましたか?//安全保障法制は縛りがきつく、いざ有事の際には使い物にならないとされています。それをさらに日本周辺海域に限定しようとされるご意見には承服致しかねますがいかがでしょう。//最後に女系天皇、女性宮家に対するご意見もお聞かせ願えれば幸いです。

2017 年 10 月 10 日 3:59 PM
Wantares より:

私は、憲法9条で、戦後日本の平和の歩みがあったとは全く思いません。たまたま極東に日本を侵略しようという国が無かっただけのこと。今やチャイナが尖閣諸島や沖縄を狙い、ウイグル自治区やチベットの悲劇が日本の近未来となりつつある。憲法9条は。1項に「国民の安全・財産及び憲法の保障する権利を保護するため、国軍を創設する」2項は現行条文は削除し新たに「侵略戦争は認めないない」3項に「策源地攻撃能力の保有」を早急に盛り込むべきです。勿論、天皇陛下は「象徴」ではなく「元首」とすべきでしょう。

2017 年 10 月 10 日 5:37 PM
you より:

過去の国会発言やブログでの発言を拝見いたしましたが、これだけしっかりとした憲法観をお持ちなのに、そして2012年から増税凍結を訴えていたのに、何故民主党との合流を善しとしたのでしょうか。
例えば今回も希望の党から出馬をされ、当選した後に党内右派左派で分裂騒動が起きたり、自民との連立を希望が模索したりした場合、次はどういった行動を取られるのでしょうか。

「私は〇〇だ」を訴えても、その発言の整合性や期待性はその人の歩んできた道から判断するしかありません。
残念ながら井出氏は過去にいくつも党を渡り歩いてきたこともあり、仮に希望の党から当選してもまた党を渡り歩くのでは、という疑念が出てきてしまいます。
そういった疑念はご自身で払拭するしかありませんので、選挙期間中の街頭演説で頑張っていただきたいと思います。

2017 年 10 月 17 日 12:40 PM
坪井法子 より:

いま憲法改正をすると、アメリカの戦争に巻き込まれる恐れが大です。まずアメリカから本当の意味で独立して、もし必要があれば憲法の見直しをするので十分だと思う。今このタイミングで憲法に手をつけると、アメリカに使われるだけです。

2017 年 10 月 20 日 4:31 AM
小諸市民 より:

昨日、私の家の前を井出さんの選挙カーが通ってくれました。
もう前から決めています。井出さんに票を入れるつもりです。必ず勝利します!選挙当日まであとわずか。残りがんばって、当選したら、またさらにがんばってください。応援していますよ。

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