食中毒とは   2014 年 8 月 24 日

食中毒とは何か。

 

食事が原因であれば食中毒。レストランやホテルなどで、従業員が風邪のような感染症を持っていて、それが食事を通じて広まっても一般的には食中毒と解されている気がする。これが、お客さんが感染症を持っていて、それがなんらかの理由でレストランやホテルに広がったら感染症か。それともこれも食中毒か。レストランやホテルがお客さんの体調に責任を負うことは言うまでもないが、その責任はどこまであるのか。法律(食品衛生法)や行政の定義付けによって責任の所在が決まっているのだろうが、その定義に問題がないとかあるとか言い切れるものになっているのだろうか。きょうはそんなことを調べて話を聞いて回ってきた。

 

上山田温泉で、昔ノロウイルス発症によって営業を自粛し、営業停止処分を受けた人に話をきいた。当時はノロウイルスという名前すらほとんど知られていなかったため、旅館の社長はとりあえず、発症者や発症者と同時期に宿泊した人をお詫びして回ったという。その後ノロウイルスについて勉強していくうちに、旅館の食事が原因ではなかったのではないかと思い始めたという。

 

ノロウイルスは特定の食材では検出されることはあるが、熱に弱いので、加熱調理した料理に存在する事は考えにくい。しかし、空気感染や接触感染でも広がるから、レストランや旅館にとっては大変対処の難しい問題だ。現在は、ノロウイルスも食中毒の範疇に入り、患者が大量に出た場合は保健所に通報することになっている。感染源を特定することは容易ではないが、患者が急激に増えた時間帯を分析したり、レストランや旅館ホテルの従業員が感染するなど複数の要因が重なった場合、食中毒と断定されて行政処分されることが多いという。

 

ノロウイルス発症を経験した業者は「普段から食事には十分気をつけているし、従業員の衛生管理も注意している。それでも原因が事業者側にあるとハッキリしていれば処分は受けるが、せめて調査に時間をかけて、白黒がハッキリしてから結論を出して欲しい」と思う人が多いようだ。ノロウイルスを出した業者が感染源が曖昧なまま食中毒と断定されることが続いてきた背景には、経験のある業者と無い業者で理解度が全く異なり、業界として強い危機感を共有できていないこともあるようだ。

 

ノロウイルスのように、食中毒が“疑われる”患者が発生した場合、発生から原因が特定されるまで矢面に立たされるのはレストランや旅館ホテルだ。とくに、高齢者をはじめ体力のない人が入所している施設は大変だ。ノロウイルスそのものは生命の危機に直結しないようだが、体力が弱いと、下痢や嘔吐、脱水症状などが体に深刻な影響を与える。

 

今年の夏、菅平高原で740人の発症者を出した食中毒があったと報道された。菅平と関係ない業者の弁当が原因だと報道された。(しかしその後、この弁当が原因だったことが科学的に確定したという報道は、私の知る範囲ではまだ確認していない)このとき、弁当が原因ではないかと早い段階で地元でも分かったようだが、弁当と関係のない旅館ホテルでは、その後も夕飯を敬遠する客が出るなどしたという。宿泊している客の体調に旅館やホテルが責任を負うのは当然だから、矢面にたつ旅館やホテルも全力で対応する。しかし、大きなニュースになれば風評被害も心配される。「せめて、原因の白黒だけははっきりつけてほしい。きちんと調べてほしい」というのが、旅館ホテル、弁当業者など、飲食に携わる人の全ての思いではないか。

 

ラクビーの聖地・菅平高原のホテル・旅館は他の地域のホテル旅館と違って、学体など団体客が圧倒的に多い。ラクビーに限らないがスポーツ選手の団体は食事はもちろんだが、起床から練習、入浴、就寝と、チームの1人1人が同じ時間帯に同じ行動をする。トイレだって多くの人が集中して混雑する。このため空気感染、接触感染するノロウイルスは、食事以外でも感染する可能性が高いし、極端なことをいえば、グラウンドで感染することも考えられる。

 

食品衛生法上、食中毒がどのように定義され、ノロウイルスが単に食事の問題と片付けられるのかどうか、法律と実態の検証をしていく必要がまずある。

 

また上田市は、2020東京オリンピックやラクビーのワールドカップ招致関係で菅平をさらに全国、世界に売り込んでいこうとしている。そうであるならば、食中毒やノロウイルスの予防はもちろんだが、疑わしき事例が発症した時に拡大を防ぐことや、原因を科学的にきちんと特定するなど、感染症や食中毒対策も最先端となるよう、上田市自らが行政をあげて取り組むことは非常に大きな意義がある。なによりも、スポーツのチームや選手・関係者なら、どこの国のどの年代のいかなる競技の選手であろうと、皆、環境や衛生面、何かあったときの対応にたいする関心は非常に高い。トップチームになればなるほどその関心は高まり、スポーツの聖地の自治体がどのような取り組みをしているか注視しているはずだ。

 

先日、菅平の知り合い数人と夕飯が一緒になったときに、あるホテル旅館関係者が「宿泊している子どもが熱でも出したら病院に連れて行かないといけないから今夜は飲まない」と言っていた。旅館ホテル関係者なら当たり前のことなのだろうが、私も含めて回りは飲んでいたので、その時の言葉を今も覚えている。

 

菅平高原をスポーツの聖地として、さらに全国に世界に売り出すには、菅平の恵まれた環境と地元の人たちの頑張りに加え、行政も全国一、世界一の助言や指導を目指して欲しい。

みんなの党・渡辺代表の8億円の話が連日報道されるようになってから、地元でこのことをよく聴かれる。


渡辺代表がご自身個人で使ったとおっしゃっているので、そうであれば、渡辺代表もおっしゃっているように説明を尽くす責任がある


借金は2010年参院選前と2012年衆院選前にしていたとのことで、2つの選挙は私が立候補した選挙だ。私は、党から受けとった金は、選挙だろうと普段の政治活動だろうと、すべて選挙や政治活動の収支報告書に記載してきている。党が私に活動費を交付したことは党の収支報告にも記載されているし、そのための領収書も私は党に出している。この点は、いまみんなの党を離れて結いの党にいるメンバーも、いまもみんなの党にいる人たちも同じだと思う。だから、収支報告書に記載されていない金があるというなら説明をして欲しいという気持も同じだろう。


去年夏、当時の江田憲司幹事長が渡辺代表から更迭された際に、党改革の大きな柱として財政の透明化を求めた。私も、党の財政運営を代表1人がやっていることは疑問だったし、役割分担をして、代表は代表の仕事に専念していただきたいと考えていた。渡辺代表が金策に苦労されていることはみんなわかっていたし、渡辺代表一人にすべてをやらせてはいけないという声も議論の中で出た。当時の議論の結果、渡辺代表は財政担当の新しい役員を設けた。しかし渡辺代表から、収支報告に記載していない借金があるという説明はその時もなかった。


みんなの党は長年、渡辺代表と江田憲司幹事長の仲が悪いと痴話げんかのようにずっと言われてきたが、「党財政の透明化と役割分担。特に金はクリーンにしなければいけない」と江田さんが繰り返し発言してきたことは、改めてここで申し上げておきたい。渡辺代表が党のために尽力してきたことは誰もが認めるところだが、江田さんだって、みんなの党のためを思ってあのとき発言したのだ。

消費増税報道について   2013 年 9 月 13 日

きのう、新聞・TVが一斉に、「安倍総理が来年4月に消費増税を予定通り実施する方針を固めた」と報じ、今朝の信濃毎日新聞も同様の記事を展開している。その、信濃毎日新聞2ページに掲載された私のコメントが、私の意図と少し違うので、ここで述べておきたい。

 

消費増税については、「増税やむなし」という議論や意見は否定しない。しかし、税金の使い方や国の仕事を根本から見直さなければ、消費税を8%にしようと10%にしようと、これまで1000兆円の借金を積み重ねてきた日本の財政体質はなにも変わらない。過去と同じ無駄遣いを繰り返してはいけないからこそ、行政改革を先行するようにと訴えてきた。

 

さらに今回は、増税で景気が落ち込むことを懸念して5兆円規模の補正予算を組むという。税金を上げながら、一方で巨額の財政支出を行うことは、車で例えれば、アクセルとブレーキを同時に踏みながら前に進もうとするようなものである。やるべきことは、税金の使い途と国の仕事の見直し。そして、景気に一時的な上昇ムードが出ているいまこそ、民間の活力をとことん引き出すために、規制緩和をするべきである。増税ありき、増税先行という方針には、徹底的に反論をしていきたい。

 

信濃毎日新聞に掲載された私のコメントについては、最後の部分が「経済対策のために編成する補正予算の内容などを、臨時国会でしっかり議論していく」となっているが、補正予算の内容如何で、増税を容認する可能性があると受け止められては困る。増税ありきに反対なのだから、増税ありきを正当化しようとする補正予算にも反対であることはいうまでもない。

鈍い国会 理解し難い   2013 年 8 月 31 日

今朝の朝日新聞朝刊一面と三面に、

「国会、汚染水審議先送り。九月中旬以降。五輪招致影響も懸念」という記事が出ていた。

記事には、一面、

「九月七日の国際オリンピック委員会総会前に(汚染水の)審議が紛糾すれば五輪招致に影響しかねないとの判断も働いた」とか、

「安倍政権はIOC総会前に、予備費投入を含めた具体策を発表し、五輪招致への影響を最小限に抑えたい考えだ」

また、

「先送りは政権の方針を国会が追認した形だが、汚染水事故よりも五輪招致を優先したとの批判を招く可能性がある」とも書かれている。


三面の見出しは「汚染水 鈍い国会。チェック機能果たさず」

記事には、

「審議を通じて事故の深刻さや政府の対応の遅れがさらに強調されて世界に伝わり、東京招致に悪影響を及ぼしかねない。こんな懸念が政権内に広がった」

誰がどう言ったという直接的な表現はないが、オリンピック招致前に審議を避けたいと具体的に発言した人物がいるからこそ、こうした記事が出てきたのだろうし、発言者が分かっているなら、朝日新聞に、今後の記事で明らかにしていただきたい。

記事には、福島の人の怒りのコメントも多数出ている。

「怒りを取り越してあきれけえっちまう」

「状況がもっと悪化すれば海外の印象も悪くなり五輪招致にも逆効果になる」

「汚染水問題は五輪招致よりはるかに国際的な問題なのに、政治家はそんなことも理解できないのか」

みんなの党は、審議を所管する委員会の理事がいない。

理由は、数が少ないから。

このため審議先送りの決定に関わることができなかったが、

渡辺よしみ代表は会見で

「(汚染水事故の国際原子力事象評価尺度の暫定評価)レベル3は国際的にも極めて重い。自民党がなぜ及び腰になるのか非常に疑問だ。理解し難い」と批判したという。私もそう思う。

今朝の読売新聞に、今月、内閣法制局長官に就任した小松一郎氏のインタビューが出ていた。1面に概要、4面に詳報があるが、1面の見出しは「集団的自衛権解釈見直し作業『法制局も積極参加』小松長官意欲」とある。

 

 

さらに読売新聞はインタビューのポイントとして、1面で3つあげている。

 

 

①集団的自衛権の憲法解釈見直しの検討作業に積極的に参加していく。

 

②安全保障の法的基盤が今までの通りでいいのかという首相の問題意識に応える仕事をしたい。

 

③自衛隊の国際活動における武器使用も真剣に熟議する必要がある。

 

 

しかし、4面の詳細を読むと、

 

 

①の「積極参加」については、「現時点での内閣の憲法解釈は今まで通りということだが、まさに安全保障の法的基盤のあり方を検討する中で、内閣として十分熟議して、最終的に内閣として決める。内閣法制局は『法律問題に関し、内閣、内閣総理大臣、各省大臣に対し、意見を述べること』が重要な仕事だ。懇談会の議論を踏まえた検討の中で、内閣法制局としても積極的に参加していく」とある。

 

 

内閣や総理大臣などへの意見具申という、法制局の仕事を、積極的に果たして行くということだと私は受け止めた。

 

 

②については詳報をみると、「日本の平和をしっかり守らないといけない。また、積極的な平和主義、より積極的な貢献を行うべきということの2つが安倍内閣の大きな問題意識だ。自衛隊の役割を中心とした安全保障の法的基盤のあり方が今まで通りでいいのか、内閣として検討する必要があるというのが、安倍首相の強い問題意識だ。これについて内閣全体として熟議し、決定すべきは決定すべきだという問題意識だ。私の外務省での経験をいかして、その問題意識に応えるような仕事をしたい」となっている。

 

 

③については、ポイントにそった表現が詳報に見当たらない。詳報には「安全保障の法的基盤の問題は、なにも集団的自衛権の問題だけではない。アフリカのマリでイスラム過激集団が住民を弾圧したことを受け、フランスは軍隊を派遣してテロリストの掃討作戦をやった。国際法上は合法な活動だ。しかし、憲法との関係でどう評価するかという議論は結論にはいたっていない。安全保障の法的基盤について真剣に議論をするという場合には、こういう問題も含めて真剣に熟議する。自衛隊による邦人の救出や輸送時に現地で武器使用するケースも理論的には関連してくる問題だ」とある。

 

 

「理論的には関連してくる問題だ」を「真剣に熟議する必要がある」としているのは、間違いではないがニュアンスが異なるのではないか。

 

 

読売新聞は「法の番人」とも言われる内閣法制局のトップが、集団的自衛権の解釈変更に積極的なイメージを出したいようだが、4面に白地で見出しとなっている「解釈変更に慎重 当然」というのが、まさに法制局長官の立場ではないか。

 

 

内閣法制局は、法律について首相などに意見を述べる「意見事務」と、法案や条約案を審査する「審査事務」が大きな仕事だが、とくに審査事務については、過去の法律との整合性など、ノウハウと蓄積を持っているのは法制局以外ないともいわれている。意見事務については、法制局は内閣の一組織であり、内閣の方針にそうように意見具申もするが、そこにも慎重さが求められる。

 

 

小松長官はインタビューで、「法治国家として法的安定性や法的整合性は非常に重要なことだ。それも1つの重要な要素として勘案して、関係する諸要素を総合的に勘案して、どういう結論を出すべきかという問題だ」と述べているが、安倍総理の集団的自衛権容認に積極的な姿勢を理解するだけでなく、内閣法制局長官という役割も十分に理解していることが、インタビューの詳報から伝わってくる。

 

 

以前、内閣法制局長官を2004年から06年まで務めた阪田雅裕氏の話を聞く機会があった。阪田氏は「法制局長官が変われば法律解釈が変わるのかというと、これまでの法解釈は法制局ではなく歴代内閣の決定であり、法律の歴史的な積み重ねや、各省庁の関わりも大きい。内閣法制局のトップが変わる影響が大きいかといえばそうとは言えない」と話していたし、私もそう思う。

 

 

今後の国会の議論になる話なので、長文になったが私自身の備忘録として書き留めることにした。
井出ようせいブログシリーズ 被災地をみて