論功行賞人事の末路   2012 年 10 月 24 日

与党の党首選挙で当選した党首、つまり総理大臣が、選挙で功績のあった派閥やグループから閣僚を選ぶことはいまに始まったことではない。自民党時代からずっとあった。しかし、今回ほどそうした閣僚人事がマイナス面を露出したことは珍しいと思う。論功行賞人事の哀れな末路とでもいうべきか、「こんなことはもうやめろ」という警告だと思ったほうがいい。

 

田中慶秋法務大臣が辞任した。そもそも大臣就任会見で、口癖なのか「はっきり申し上げて」と連発しておきながら、そのあとの内容は完全にしどろもどろ、検察と警察の区別もついていないのではないかという人を法務大臣に選んだことが間違いだった。インターネット上の脅迫が、遠隔操作によるものだと気づかずに各地で誤認逮捕が相次ぎ、犯人でない人に、容疑を認めさせてしまう取り調べがされていたことがここ数日大きなニュースになっている。捜査のありかたや可視化をめぐる議論、そして検察改革や、長年の議論となっている死刑制度の問題など、法務大臣の職責は極めて重い。

 

田中慶秋氏は「民社協会」という、かつて民社党に所属していた国会議員や地方議員による組織の会長を長年つとめている。民社協会の議員を支えるのは自動車総連や電力総連など、連合に参加する労組でその力は大きい。田中慶秋氏は民社協会のトップとして民主党内で一定勢力を保ち、その動向は民主党代表選のたびに注目されてきた。代表選のたびに「旧民社党議員グループの田中慶秋氏らが云々」というニュースを「旧民社ってなんだ?」と思いながら聞いた覚えがある人も少なくないだろう。民主党政権で旧民社グループの議員はたびたび入閣してきた。そして、さきの野田政権の組閣は、民主党最後の組閣となる可能性が高く、私は、最後に旧民社グループのトップである田中慶秋氏にはなを持たせたのかなと感じた。しかし、就任直後の記者会見はあまりにひどかった。失言で職を失う大臣はいるが、発言が意味不明すぎて、失言を探すこともままならないような人はみたことがない。法務大臣に適していないことはあきらかだった。

 

さて、辞任の直接原因と報道されている田中慶秋氏と暴力団との関係は、週刊誌や本人の発言をきけば2、30年前のことである。その後、交通違反のもみ消しもやっていたなどの報道もあったが、こうしたことが事実だとすれば、それは大臣以前に国会議員としての資質が問われる話だ。田中慶秋氏辞任のニュースをロシアのメディアが報じたというニュースもあった。一国の法律、法治をつかさどる大臣が暴力団と関係していたと、字面だけをみればたしかに面白い話かもしれない。しかし今回の辞任劇は、野田総理が閣僚候補の身体検査を怠ったという、聞き飽きたフレーズが原因ではないと思う。国会や閣議を欠席し、ほとんど公の場に姿を見せずに辞任したということは、本人も民主党も、田中慶秋氏の発言力が極めて危うく、公に場に出ればさらに事態が悪くなることをわかっていたのではないか。辞任が遅すぎたというよりも、選んだことがそもそも間違いだったと言うほかない。

 

民主党は政権交代前、「影の内閣」を作って政権交代に備えてきた。それがまったく役に立たなかったのは残念だ。また、先の党首選に出馬が取りざたされた細野氏が、出馬を断念したあとで、「総理になるには政権構想が必要だと感じた」という主旨の発言をしたことをニュースで目にした。これから政権を取ろうという政党や、大臣になりたいと思う人、そもそも政治家や、自戒をこめていうが政治を志す人間には、「自分がなにをしようとしているのか」をはっきりさせて、準備をしていないといけない。そうでなければ、いつまでたっても政治がリーダーシップを発揮することはできない。今後も同じような論功行賞人事が続くかもしれない。いままではそうした報道をただ冷めた目で見てきたが、今回の辞任劇をみて、私たちはそうした閣僚の決め方はおかしいということを声を大にして言っていかなければならない。

新聞週間に考えること   2012 年 10 月 17 日

15日から「新聞週間」がはじまった。(http://www.pressnet.or.jp/about/shimbun_shukan/)どの新聞も今週のどこかで、新聞の役割、報道のありかたを検証する記事を書き、おそらく今年も大きなテーマは震災報道だろう。

 

新聞の果たしている役割はいまなお大きいと、私は思う。復興予算の流用問題の解明にも、一定の役割を果たしている。また、たとえば毎日新聞が、核燃サイクル政策推進のために専門家が、「秘密会議」をひらいていたことを報道し続けるなど、報道されなければ私たちが知ることのなかった事実も多く出ている。しかし、一方で、iPS細胞から作った心筋細胞を患者に移植したという森口氏の嘘にのっかってしまうなど、問題も事欠かない。政治報道について言わせてもらえば、消費税やTPPなど、国論を二分するような問題に全国紙が似たり寄ったりの社説を出し続けたり、民主自民公明の3党協議をなぜ、全国紙が揃いも揃って支持するのか、「社論はあるのか」と問いたくなるようなことが多い。消費増税に多くの新聞社が賛意を示しておきながら、新聞には軽減税率を適用してほしいと求める紙面に違和感を覚える人も少なくないだろう。

 

大手メディアがなによりも優位なのは、長年の歴史と、そして、役所や企業など、いたるところに記者クラブを組織して、優先的に情報にふれられることだ。それがいま、インターネットの普及によって、役所や企業も独自に情報を発信している。また、記者会見にフリーの記者が入れるようになりつつあるなど、情報が多様化している。そしてフリージャーナリストの活動も、ネットによって飛躍的な広がりを見せている。Twitterやブログ、facebookのおかげで、私たちは様々な論客の文章を、より簡単に目を通すことができ、新聞社の社説より数段、説得力のあるものも多い。また、ユーストリームなど、ネット中継、動画の進歩によって、生の情報、速報性でもネットが力を伸ばしつつある。多くの人が幅広い情報に触れられるようになってきたからこそ、大手メディアの報道は厳しく問われ、既得権だと批判されている。裏を返せばまだそれだけの影響力があるということだと思う。新聞をみもしないで「マスゴミ」などと批判する人よりも、様々な新聞に目を通したうえで批判する人の意見の方が大事だと私は思う。

 

 いま、大手メディアに求められているのは謙虚さと独自性だ。いまに限った話ではない。私がメディアと関わるようになってからずっとそう思ってきた。謙虚さとは、自分たちが情報を得やすい立場にいるという自覚をもつこと。報道が誤っていると判断した時に謝罪すること。自分たちが「国民になにかを教えてやっているんだ」とかいう特権意識を解体する必要がある。私が記者をしていたときも、NHKを含めて大手メディアには特権意識をもった人が多く辟易した。誇りは必要かもしれないが驕りは自らの妨げとなるだけだ。

 

そして、独自性は、新聞社が10あれば10通りの社論を掲げることだ。公共性の御旗を立てるのは大事だが、その旗にかくれて自分たちの主張を決めなかったり、回りを様子見して似たような記事を並べているいままでのやり方では、国民はついてこないだろう。「大手メディアの書くことが正解とされた時代」から、「様々なメディア、情報の中から正解を選択する時代」に入っている。

 

私は、毎日様々な新聞に眼を通している。主要紙の社説もほぼ毎日読んでいる。 軽減税率が適用されようとされまいと新聞は読み続ける。だからこそ、目に見える変化を期待したい。

(10月16日信濃毎日新聞1面より引用)

 

復興予算が被災地と関係ないところに使われていた問題は、

今朝の信濃毎日新聞の1面を読むと、

来年度から使途を被災地に限定することで落ち着くようである。

週刊誌が夏から、そしてNHKをはじめとするテレビ、新聞が

この問題を9月から取り上げてきたが、

ようやく政府が軌道修正を始めた。

 

各省庁が復興予算をつかって、

自分たちの既得権事業を継続しようという姿勢は

どう考えても理解できるものではない。

使途を曖昧にする法案を通してしまった国会の責任も大きい。

 

民主党の政権交代が失敗に終わり、

税金のムダにメスを入れるという議論が国会から消えて久しい。

また、活動をしていると

「民主党にできなかったのだからできないだろう」と

あきらめににた声を数多く聞く。

 

しかしこの問題は、税金・国の予算という公金を

役所や政治家が自分たちの都合のいいように使っている、

「私物化」している実態を改めて明確にすることになった。

ここに切り込まなければ未来をきりひらくことはできない。

 

消費税もそうだ。お金がないの一点張りで、

使途も曖昧なまま増税し、

これまでの税金の使い方を正さないようでは

どんなに税を上げてもいいことは1つもない。

ありがとうございました!   2012 年 10 月 11 日

「井出ようせいを囲む会in臼田」大成功でした。

50人規模の集まりを考えていたのですが、

120人の方にご参加いただきました。

ご協力いただいた全ての方に御礼申し上げます。

今後の活動に向けて、大きな力を頂きました。頑張ります!

 

 

 

 

 

集会のお知らせ   2012 年 10 月 6 日

10月10日19時より「臼田館」(佐久市臼田140−1)にて集会を開催します。

私の考え、活動について皆様にお話しさせていただきます。

ゲストは小野次郎参議院議員。昔、ある人の選挙応援でご一緒させていただいたときに、誰よりも熱心にチラシを配る小野さんの姿をみて、一度お招きしたいと思っていました。ようやく実現します。国会でも鋭い質問を連発されてきた論客です。

私が信州、小野さんは山梨、ともに地方から新しい政治の風を起こそうと日々奮闘していますが、私たちの思いを皆様にお伝えできるよう、私と小野さんのトークも予定しています。

みんなの党の現状、今後についても全てをお話しします。多くの皆様のご参加をお待ちしています!

 

 


井出ようせいブログシリーズ 被災地をみて