距離をおく   2013 年 5 月 1 日

今週の週刊ポストに「安倍晋三と朝日新聞の『不適切な蜜月』」という見出しの記事があり、気になって読んで見た。朝日新聞と安倍総理の関係が気になったわけではない。前々から、総理が新聞やテレビに自ら主体的に、単独インタビューや出演をすることが増えているのではないかと気になっていた。

記事には、朝日新聞が変節したとか、安倍総理と朝日新聞の関係が細かに書かれていたが、記事をそのまま鵜呑みにするつもりはない。朝日新聞にも反論があるだろう。 しかし、記事の中で立教大学の名誉教授教授が述べていた「メデイアのトップが権力者の総理と会食するなど言語道断。メディアは権力と一定の距離を保つべきというのは市民革命以来定着している考え方です」という話はその通りだと思う。 また、記事ではほかにも「安倍首相のメデイア攻勢は朝日だけに限ったことではない。首相就任以来、朝日、読売、毎日、日経、産経のトップと会談し、テレビも民放キー局の会長や社長を総なめしている。しかし、英国では、メディアの経営者が首相と会うことはタブーとされ、日本でもこれまでメディア側が権力との接近を自制する節度をもっていた」とあるが、これもその通りだと思う。

安倍総理と朝日新聞の関係だけをどうこういうつもりはまったくない。 民主党政権の前後、民主党が政権を取る少し前から、総理のテレビ出演や新聞の単独インタビューが、昔より増えているのではないかと漠然と感じていた。 総理に出番を与える以上は、単に総理の発言をなぞるだけではなく、時には総理を怒らせるような、各社の社論に基づく突っ込みがほしい。

あり得ないことと信じているが、単に総理の出演回数が多いとか、出演時期が他社より早いとかを競い、一喜一憂しているとしたら論外だ。 歴代総理がメディア各社に頻繁に登場することがなんとなくひっかかっていたが、大事なのは、距離をおくことだ。歴代総理がメディアを積極的に使おうというのなら、その内容をどういうものにするか。総理とどういう距離感をもつのかは、メディア各社の姿勢が問われている。

井出ようせいブログシリーズ 被災地をみて